Ovirtのhyper converged構成とは?

Ovirtは標準的な構成では以下の3つの要素で構成されます。
- Ovirt Engine (管理・制御機能+操作コンソール機能)
- Ovirt Node (VDSMデーモンを介してEngineの監視制御下で、KVM上の仮想ホストを実行する)
- 仮想ディスク用ストレージ(GlusterFS, ISCSI, NFSサーバ等)
本来、これらの要素にはそれぞれに別なハードウェアが割り当てられますが、「物理サーバの数を減らしたい」そんな場合の妥協策として、以下があげられます。
- Ovirt NodeサーバにGlusterFSサーバ機能を設定し、仮想ディスク用ストレージを代替させる。
- Ovirt Engineのホストを仮想化する(Ovirt Nodeサーバで実行:「セルフホステッド・エンジン」)。
Ovirt(RHEV)では、特にGlusterFSのサーバ機能をノードサーバに集約する構成が、Hyper Convirgedと呼ばれています。さらにセルフホステッド・エンジンを採用すれば、ノードサーバ3台の構成にて、実用性の高いOvirtの仮想化プラットフォームを構成することができます。
この構成の欠点は:
- ヴァージョンアップや証明書の更新等のメンテナンス時に、いずれかのノードサーバを停止させると必ずGlusterFSが縮退運転にはいる。複数台のノードサーバが停止すると、GlusterFSのヴォリュームが停止する。
- エンジンに物理サーバを充当した場合、すべてのノードサーバが停止しても、ノードサーバの再インストール等、障害発生時の対応は柔軟にできる。セルフホステッド・エンジンの場合、1台のノードサーバとストレージドメインが正常に動作していないと、エンジンの管理機能が利用できないので、復旧操作にはそれなりの知識と経験が要求される。できれば、エンジンには物理サーバを充当したい。