Ovirtによる社内業務システムのプライベート・クラウド化


導入後ほぼ10年を経た社内サーバシステムです。物理サーバはリースアップした物を買い取ってさらに使ったもの。サーバ装置の老朽化と新たな業務サーバの投入にともないサーバのリプレイスのご相談をうけたのですが、さまざまな検討の結果、「Ovirt仮想化プラットフォームへの移行」をご提案し、ご採用いただきました。

概要

ポイントは、システムが古いため、ソフトウェアによっては新たなOSへのマイグレーションの対応ができないといった問題がいくつかあったことです。一例として、B2B業務(代理店受発注管理)のWindowsサーバ関連のソフトウェアには、新しい世代のハード、OSでは動作しないものがあり、ライセンスの問題もありました。そこで、仮想化プラットフォームなら、古い世代のOSやマシンを再現することも可能であるという特長に基づいて、P2V(物理 to 仮想)マイグレーションツールにより、現行サーバのサーバイメージをそのままの状態で仮想化プラットフォームに「移植する」ことを提案させていただきました。

Before

すべて2004年ごろに投入されたシステムです。Dell社の当時標準的であったタワー型PCサーバが使用されています。OSは既述のWindows2003サーバ一台をのぞいて、RedHat Enterprise Linux ES3.0をOSとし、ディスクはRAID1で二重化されています。
サーバ 仕様等 OS, ソフトウェア
 メールリレー/DNS Dell PowerEdge1600SC
(CPU:2.4GHz, RAM: 512MB, HDD:36GBx2 RAID1)
RHEL ES3.0
WEBサーバ1(一般顧客向けサーバ) Dell PowerEdge1600SC
(CPU:2.4GHz, RAM: 512MB, HDD:72GBx2 RAID1)
RHEL ES3.0
WEBサーバ2(B2B 業務用サーバ) Dell PowerEdge1600SC
(CPU:2.4GHz, RAM: 1024MB, HDD:72GBx2 RAID1)

Microsoft Windows2003 Server
IIS
MS SQL Server

WEBサーバ1b(バックアップ) Dell PowerEdge1600SC
(CPU:2.4GHz, RAM: 512MB, HDD:72GBx2 RAID1)
RHEL ES3.0
WEBセキュリティGW Dell PowerEdge1600SC
(CPU:2.4GHz, RAM: 512MB, HDD:36GBx2 RAID1)

RHEL ES2.1
InterSCAN WEB Security Suite

メールセキュリティGW Dell PowerEdge1600SC
(CPU:2.4GHz, RAM: 512MB, HDD:36GBx2 RAID1)

RHEL ES2.1
InterSCAN Messaging Security Suite

After

物理サーバ構成

サーバ 仕様等 OS, ソフトウェア
Ovirt管理サーバ Dell PowerEdge T310
(CPU:Xeon X3430 2.4GHz, RAM: 16GB, HDD:300GBx2 RAID1)
Fedora16
Ovirtノードサーバ1/2 Dell PowerEdge T420
(CPU:Xeon X3430 2.4GHz, RAM: 32GB, HDD:300GBx2 RAID1)
Fedora 16
Ovirtノードサーバ2/2 Dell PowerEdge T410
(CPU:Xeon X3430 2.4GHz, RAM: 32GB, HDD:300GBx2 RAID1)
Fedora 16
ストレージサーバ 1/2 Dell PowerEdge T320
(CPU:Xeon X3430 2.4GHz, RAM: 32GB, HDD:600GBx5 RAID5)
CentOS 6.3
ストレージサーバ 2/2 Dell PowerEdge T320
(CPU:Xeon X3430 2.4GHz, RAM: 32GB, HDD:600GBx5 RAID5)
CentOS 6.3

 

2014年12月22日