単体物理サーバの仮想化 – KVM or Ovirt?

Linux KVM

単体物理サーバ構成のOvirtの実用性

Ovirtを単体の物理サーバで構成し、複数の仮想ホストを実行することは可能です。しかしながら近い将来に物理サーバを追加し複数台構成にすることが決まっているような場合をのぞけば、Ovirtエンジンの管理コンソールの多様な機能を利用できることをのぞけば、さしたるメリットは感じられません。

Ovirtの効果は複数サーバ構成で発揮される

Ovirtが効果を最も発揮するのは複数台の物理サーバ(ノードサーバ)で構成された場合です。結果、以下のような高可用性をはじめとする優れた機能を簡単な操作で設定・管理できます。

  • 高可用性機能(障害発生時のライブマイグレーション
  • 負荷、利用率、仮想ホストの数等のクライテリアによる仮想ホストの自動適正配置機能
  • 大規模分散ストレージ(GlusterFS)対応
  • Infinibandなどの超広帯域ストレージネットワーク機能

単体サーバにはKVMがおすすめ

単体の物理サーバで仮想化プラットフォームを運用する場合KVM(libvirt, qemu)を利用するのが便利です。Ovirtも、その中核機能であるハイパヴァイザーにはKVMを採用しています。KVMはAlmaLinux, Devian, UbuntuなどのLinuxディストリビューションに標準装備されています。Linux OSをGUI構成でインストールして、仮想マネージャを利用すれば、仮想ホストの作成,編集,管理、VMコンソール画面の閲覧など、通常の管理運用に十分な機能が利用できます。

目安として、2CPU(12~16コア、ハイパースレッド可)、128GBメモリー搭載のHPE Proliant DL360を使用する場合、8~16台の仮想ホストは容易に運用可能です。

備考:
KVMでも、設定・運用技術を駆使すれば2台以上の構成でマイグレーション(手動)を実現することはできます。しかし、それに必要な労力と得られるものを比較すると、Ovirtを利用するほうが建設的です。

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